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日本を脱出しカナダで暮らすソラのブログ

鬱(うつ)から脱し、21世紀な仕事を求めて一人「働き方改革」を遂行した2017年を振り返って。

 
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2017年も暮れようとしているので、自分自身の「働き方」を中心に、今年1年を振り返ってみようと思う。

「2017年の元日、僕はいわゆるニートとして新年を迎えた。」

2014年に海外(カナダ)に移住し、経済的にもビザ的にも不安定な状況の中「海外移住者として、ハッピーにならなければいけない」という漠然としたプレッシャーを自分で作りだし、それと無意識に戦っていたら、どうやら鬱になってしまったようだった。(カナダ・バンクーバーに移住した動機などについてはこちら【報告】我が家はカナダ・バンクーバーに移住します。
アレヨアレヨという間に仕事も手につかなくなり、2016年の夏に移住先でお世話になった就職先ををあっけなく退社。
それからはとにかく何をするにもやる気がおきず、昼過ぎに起きては、また眠くなるのを待つ日が続いた。
寝られない日は、全然笑えないTV番組をひたすら眺める、ただそれだけ。
生産性などゼロの日々を送っていた。

働いている人が「善」で、働いてない人、働けない人が「悪」とは思わないが、その時点で僕は、
「仕事」「働く」という部分で何もできない、できていない、する気になれない自分はとにかくこの世界にいる価値は無いし、いなくなっても誰も困らないと思っていた。ていうか全てが嫌になってしまったのだ。

「結局何かを成し遂げたって、どうせ皆いつか死ぬのなら、早いか遅いかの違いだろ。」と本気で思っていた。
典型的な鬱のネガティヴな症状だ。

気が乗らないまま、かかりつけの医者をたづねると、医者は言った。

「何もしたくないのはわかるよ。再就職を目指して仕事となると責任も重くなる。だからボランティアとかでもいいんだ。何かができるようになったら、少しずつでもやってみなさい。」

そんなこんなで2017年の元日、僕はいわゆるニートとして新年を迎えた。

「1月-2月 生まれて初めてのボランティア活動。労働の喜びはお金ではないことを改めて知る」

医者は信用できなかった。収入がないのにボランティアだなんて、全く他人事だからそんなこと言って。そう捉えていた。
でも、同時に僕は、以前遠い知人から「ウガンダの貧困に苦しむ子供達を助けるWEBサイトを作って欲しい。お金は払えないボランティアだけど、力を貸して欲しい。」というメールが届いていたことを思い出した。
メールが届いた当時は、ウガンダなんてどこの国か知らないし、お金にもならないのに、第一仕事が忙しすぎてそれどころではない。と、文字どおり無視していた。
でも、鬱になって仕事を失い、何もすることがない僕にとって、目の前のできることはそれしか見当たらなかった。
メールをもらってから随分日にちが経っていたが、とりあえず返事をすると、すぐに連絡がきた。
全て英語でのやりとりで、最初はうまくやりきる自信などなかったが、とにもかくにもうまれて初めてのボランティア活動が始まった。
と言ってもやることはお得意のWEBサイト制作。しかも完全自宅での作業だったので、重いプレッシャーは感じなかった。
いわゆる「仕事」ではなくボランティアだったことで、ちょうどいい責任感/緊張感で活動に取り組めたし、英語でのプロジェクトをこなして行くことで、少しずつ自信を得ることができた。
窓口となってやりとりしていた女性(ウガンダで特に子供や女性の貧困是正に取り組むカナダ人の優しいオバさん)は、WEBに関するリテラシーこそ低いものの、僕が鬱であることをよく理解してくれ、サイトが完成した時には「あなたがいなかったらここまでのことはできなかった。たくさんの問題を解決してくれてとても感謝しているわ。」と言ってくれた。
自分としてはWEB屋として当たり前のことをしたまでだったが、新鮮な照れ臭さと、給料日とは違う喜びがそこにあった。
ただ当然ボランティアなので、お金は1円ももらえない。貯金額はみるみる減っていくのだった。

「3~4月 クラウドソーシングはありがたい。 単価の安い案件が多いけどバカにできない。」

生きていくためにはお金がいるので、(しかもバンクーバーの家賃事情は世界有数の高さだ)就職活動的なことを一応してみた。
面接などに呼ばれるも、こっちも相手もしっくりこないということが続いた。
鬱が悪化するのが怖かったので、次に仕事をするなら以下の条件を満たさない限り、ニートを貫き通そうと決めていたからかもしれない。

* 週に40時間以上は働きたく無い。
* 通勤とかしたくない。
* 信頼の置ける人としか仕事しない。
* やりたい仕事しかしない。

家族を巻き込んで海外移住し、甘えた事を言うなと言う声が聞こえて来そうだが、それだけ鬱の悪化が怖かったのだ。それは鬱になった人だけが分かる恐怖かもしれない。
幸いWEB屋という職業の特権は、ネットで仕事が探せることだ。いわゆるクラウドソーシングというやつ。
ただ、大手クラウドソーシングサイトは、競争が激しく単価の安い案件が多いことなどがよく話題に上がり、あまりいい印象を持っていなかった。
それでも貯金が減って行く不安感は鬱に拍車をかけたりもする。
恐怖から逃れるために、クラウドソーシングサイト上での募集に応募し続けた。最初は返事が全然こずに、いよいよ「破産」の文字が脳裏にチラつき始めた頃、ようやく案件の話が来るようになった。
あんなに働くのがイヤだったのに、その頃になると、仕事ができる事をありがたく思うようになっていた。

5~6月 知人の仕事をお手伝いしながら目標に向けて貯金

クラウドソーシングで繋がった企業から仕事をもらいつつ、友人知人から頂いたホームページ制作の依頼を手伝いながら、なんとか生計を立てることができて来たのはこのころだ。
8月にアメリカで観測される皆既日食を見るために大陸南下旅行でもしようかなと計画を立て、それに向けて貯金もし始めた。目的、目標があると仕事に向き合う姿勢が一気に変わるなんてことは多くの方が経験しているだろう。

7~8月 しっかり働いたら、しっかり遊ぼう

夏のバンクーバーは太陽の季節。街全体がキラキラ輝いて、心も晴れやかになる。
自宅での仕事にも慣れて来て、一年前まで寝ること以外なにもする気にならなかった人間が、運動不足にならないように毎日きっちり朝昼晩と3セット、筋トレなんかを始めるようになった。
8月、日本から遊びに来た友達と合流して、皆既日食を見にアメリカ大陸を旅行している頃には、鬱に関して「もう大丈夫かもしれない」と思えるようになっていた。
しっかり働いて、しっかり遊べている自分が少し好きになれた。(皆既日食パーティーの記事はこちら皆既日食パーティーのフロアで踊りながら想ったこと。【Global Eclipse Gathering 2017】

9~10月マッチングサイトからの長期契約

クラウドソーシングは単価の安い単発案件が多いことが話題によく上がると先に書いたが、僕の場合、最初はそういったマッチングサイトを利用し企業と繋がり、安い案件でもクオリティの高い仕事を納める事を意識し、信頼を得て、長期の契約につなげて行くという事を繰り返しやっていった。
複数の企業から案件がもらえれば、仮に1つの企業との関係が切れても、収入がいきなりゼロにはならないというリスクヘッジになるし、いつでも乗り換えてやるくらいの姿勢でいれば、「金のため」という重圧の中で仕事をせずに済む。もちろんクオリティの担保と信頼を得ることが継続した契約につながるので、1つの企業と誠実な対応でガッツリ繋がるのもアリだと思う。

11~12月 時間と場所にとらわれない働き方

僕の主な仕事であるWEBデザインがそうであるように、マッチングサイトを通じて獲得できる仕事は基本web上で完結できることが多い。
今後ネットの供給も安定し、5Gの世代になれば時間と場所にとらわれない働き方がもっと可能になるだろう。
ノートパソコンとネットがあれば、11月はカナダで働き、12月は日本で働くということが、やりたければ可能になった。
正月気分を味わいたいから本当はゆっくり年越しをしたいが、おかげさまで
2018年の元日は、家で仕事をしながら迎えられそうだ。(家なんだもん、仕事につかれたら、笑えない正月のTV番組を大声あげて笑って見たっていいのだ)
仕事を通じて誰かの需要を満たすことと、同時に自己の実現を両立しながら働けるということは感謝である。

まとめ

結果論ではあるけれど、やりたいこと、やるべきことを明確にし、それを実現するにはしがみついてでもやる。(もしくは実現を遠ざける何かをやらない)ことで、働きかただけではなく、自分自身を改革しつづけていけると思う。
人生は有限だけど、たった一度の人生、自分のため、そして生かされている世のためひとのため、何をやるべきで、何がしたいのか、ハッキリするまでジックリ進めていくことは大事だと思う。1年くらいかければ人も状況も変えることができるのではないだろうか。

ついでに2018年はどんな年にしたいか考えてみた。
僕は今、鬱から脱してWEBデザインという仕事を楽しんでやっているが、パソコンで片付く仕事は今後、ロボットやAIが代わりにやってく可能性がある。そーゆー仕事は機械に任せて、元々好きなもっとアーティスティックな仕事に少しずつキャリアをシフトしていけたらいいとおもう。具体的には、やっぱ音楽がすきなので、空気を振動させて空間や時間を演出する働きができたらいいとおもっている。もっと具体的には、僕の友達でカナダのローカルラジオのパーソナリティをしているひとがいて、その人が「いい音楽が作れたら楽曲を持ってスタジオに遊びにおいで」と言ってくれている。だから、電波に乗せて聴く人の心をくすぐれるような曲が作れたらいいなと思う。
あとは同じように鬱を経験するひとや、仕事や働きかた、自分自身を改革したい人を助けたり育てたりする働きをして、自分自身ももっと成長していきたい。

さいごに

今年一年仕事を通じてお世話になった方々、孤独を忘れさせてくれる友達、そしていつも支えてくれる家族、全てを与えてくれた神様に、感謝の心をこめてこの言葉を送ります。

本年は大変お世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。

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